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便通の乱れが腰痛を引き起こす?便通と腰痛の関係性ついて解説します!

「最近便通が良くなくて、腰も痛い。」

そのようなお悩みを持っている方もいると思います。腰痛と便通の乱れは別物と思っている方も多いと思いますが、意外な共通点があると言われてます。

ただし、便通も腰痛もそれぞれ隠れた病気が潜んでいるかもしれません。先ずは医師などの専門家に相談するようにしてください。専門家の指導に従った上で、自ら便秘と腰痛に関する知識を持つことも大切です。

本記事では便秘と腰痛に関することについて、詳しくまとめてみましたので、便秘と腰痛に関してお悩み方は是非参考にしてみてください。

便通の乱れについて

便通は私たちが健康的な生活を送るための一つのバロメーターですが、便通が乱れることによって、さまざまな症状や疾患に悩まされる場合があります。その代表的なものとしては、便秘が挙げられると思いますが、まずは便秘がどのようなものなのか、解説してみたいと思います。

便秘とは

慢性便秘症診療ガイドライン2017によると、便秘とは「本来体外に排出すべき糞便を十分量かつ快適に排出できない状態」と定義されており、有訴者は年々増加傾向にあるようです。

慢性的に続く便秘症状は、生活の質や生産性の低下に繋がるだけでなく、患者の生命予後にも関わってくると言われており、便秘の病態に合わせた形での適切な処置や治療が重要であるとされています。

便秘の診断基準

便秘症とは「便秘による症状が現れ、検査や治療を必要とする状態」のことを指し、便秘症の診断基準は下記の6項目のうち、2項目以上満たしたものとされています。

・排便の4分の1超の頻度で、強くいきむ必要がある。

・排便の4分の1超の頻度で、兎糞状便または硬便(BSFSでタイプ1か2)である。

・排便の4分の1超の頻度で、残便感を感じる。

・排便の4分の1超の頻度で、直腸肛門の閉塞感や排便困難感がある。

・排便の4分の1超の頻度で、用手的な排便介助が必要である(摘便・会陰部圧迫など)。

・自発的な排便回数が、週に3回未満である。

これに付け加えて、「慢性便秘症」の診断基準としては、「6ヵ月以上前から症状があり、最近3ヵ月間は上記の基準を満たしていること」と定義されています。

便秘の原因

様々な要因で便秘の症状が発生すると言われますが、不規則な食生活やバランスの偏った食事、運動不足など基本的な生活習慣が原因となる場合が多いです。加えて、食物繊維の摂取量の減少、ストレス社会の拡大および近年の高齢化の進展に伴って、便秘で悩んでいる患者数は年々増加していると指摘されています。

また、大腸の動きが何らかの原因で悪くなり、便を押し出そうといきんだ時に、直腸の筋肉がうまく弛緩できなることがあるようで、結果的に便秘が起こりやすくなってしまうと言われています。このほか、何らかの病気の治療薬による副作用で便秘になることや、稀ではありますが、大腸がんなどの腸疾患が原因で便秘になる場合もあります。

どのくらいの人が便秘になっている?

平成22年度の国民生活基礎調査によると、日本では男性の2.4%、女性の5%が便秘を罹患していると報告されており、若い年代では女性の方が男性よりも多いとされますが、高齢者の場合では男女差はほとんどないと言われています。

また、子供の便秘も実はよく起こると言われており、小学生の18.5%が便秘で悩んでいるという報告もされています。子供の便秘については、母乳やミルクの不足、食事の変化、汗のかきすぎ等の原因が指摘されています。子供の場合は排便を我慢してしまうことにより、便秘が生じる場合もあると言われています。

理想的な排便の姿勢とは?

排便の際、少しだけ姿勢を意識することで、排便しやすくなるかもしれません。和式のトイレで、前屈みの姿勢で排便を行うのが理想的とされていますが、洋式の場合も、前屈みの姿勢になることを意識してみましょう。その上で、背筋は伸ばした状態にし、腹筋にだけ力を入れることが重要です。洋式便座に座っただけの状態を90度とすると、35度くらいの前傾が理想的とされます。両肘はももの上に置き、可能であれば足元には台を置くことにより、排便しやすい環境が整います。

なぜ、前屈みの姿勢がいいのかというと、洋式便座に座っただけの状態では直腸と肛門の角度が直角に近い状態になってしまい、物理的に便が通りにくくなってしまうと言われています。一方、前屈みになることで、直腸と肛門の角度がよりフラットに近づくため、スムーズな排便にもっていきやすいのです。

腰痛の主な原因とは

腰痛に悩まされている方も多いと思いますが、ここからは腰痛の主な原因について解説してみたいと思います。

腰痛とは

腰痛とは単一の「疾患名」ではなく、腰部中心とした痛みや張りといった不快感を伴う「症状」を指します。一般的に、座骨神経痛などの下肢(脚)の痛みやしびれを伴う場合も腰痛に含まれ、腰痛は誰もが経験する症状と言えるでしょう。

腰痛の有訴者率は毎年上位を占めており、国民を最も悩ませる症状の代表と言っても過言ではありません。

特異的腰痛と非特異的腰痛

腰痛には特異的腰痛と非特異的腰痛があります。特異的腰痛は腰痛の原因が特定できるものとされ、特異的腰痛の代表的なものでいうと、椎間板ヘルニアや腰部脊柱管狭窄症などが挙げられます。反対に、非特異的腰痛は腰痛の厳密な原因を特定できないものを指しますが、腰痛を訴え病院に受診するほとんどの患者が非特異的腰痛で、およそ85%もの割合を占めているとされます。

動作要因

腰痛が発生するのは様々な要因が考えられますが、まずは動作的な要因が挙げられます。具体的な動作的要因の例をいうと、重たいものを頻繁に運ぶ、腰を曲げたりひねったりする頻度が高い、長時間同じ体勢で仕事をすることが多い、職場の安全作業マニュアルや作業基準が確立されてなくて、不自然な姿勢での仕事が連続する、などが挙げられます。

環境的要因

気候、腰への振動、床・階段での転倒など、環境的な要因によって腰痛が発生する場合もあります。例えば、身体が寒冷にさらされる、車やバス運転などで長時間振動にさらされる、職場が乱雑で転倒してしまった、などは環境的要因と考えられます。

個人的要因

個人的要因としては、年齢や性別、体格、骨格、筋力、仕事内容、基礎疾患の有無、腰椎椎間板ヘルニアや骨粗しょう症等などの既往歴が挙げられます。具体的には、加齢とともに腰痛が発生する、慢性化した腰痛を抱えている、夜勤が多いなど、個人的要因による腰痛も多く発生していると考えられます。

心理的要因

上記の3つの要因が複合的に合わさって、腰痛が発生するケースも多いと考えられますが、最近はストレスなどの心理的要因による腰痛も注目されてます。例えば、家庭や仕事でイライラすることが多い、人間関係がうまくいかない、仕事の満足度が低い、などの心理・社会的因子も腰痛に深く関連していることがわかっています。

主な腰痛対策、日頃の心がけとは?

同じ体勢で長時間作業すると腰痛を発症してしまう原因になります。ただし、職種によっては、前かがみや中腰での体勢を長い時間維持しながら仕事をする場合や腰のひねりを長く保つ作業を頻繁に行わなければなりません。このような場合は、違う作業と組み合わせながら行うようにしたり、可能な範囲で小休止・休息を随時取ることを心がるようにしましょう。作業前体操や腰痛予防体操なども積極的に取り組んでみると効果があるかもしれません。

また、精神的ストレスが腰痛と関わっていることもわかっていることから、ストレスを溜め込まないよう気分転換の運動やストレッチなども行うようにすると良いかもしれません。

便通の悪化と腰痛の関係性

ここまで、便通の乱れに関して、便秘を中心に解説し、腰痛についてもその原因が様々あることがわかりましたが、ここからは便通の悪化と腰痛の関係性について迫りたいと思います。

便秘と腰痛

便秘の原因は食生活だけでなく、運動不足も関わっています。同じ姿勢で長時間仕事をするデスクワークなど、身体活動の低下は睡眠不足や便秘に関わってきます。上記のように、長時間同じ姿勢で作業を行うのは腰痛発症の主なリスクファクターです。また、便秘と腰痛はともにストレスなどの心理的要因によるものも指摘されていますので、便秘と腰痛が関連して発症しても不思議ではありません

便秘が腰痛を引き起こすメカニズム

腸内環境の悪化は腰痛と関係していることが報告されています。便秘がある人には腰痛を訴える人が非常に多いとされていますが、それには腸内環境の状態が関係していると考えられています。つまり、便秘などで腸内環境が悪化すると腰痛が引き起こされることがあるのです。

下痢であれば排便することで楽になりますが、便秘の場合は比較的長期間に及ぶため不快なものです。

このように便秘が原因となる腰痛を訴える方には大建中湯や桂枝加芍薬湯といった漢方薬が有効という報告もあります。

腰痛が便秘を引き起こす場合もある

「腸腰筋」は歩行時などで動く主な筋肉の一つですが、腰痛の中にはこの腸腰筋が硬くなってしまい、骨盤が歪んでしまうことで、腰痛に繋がる場合もあります。また、腸腰筋は、腸の運動にも関わっており、腸腰筋が硬くなることで腰痛のみならず、便秘も引き起こす場合もあります。そのため、腸腰筋を柔らかくすることにより、解消される可能性があります。

日頃より、腰痛を予防するための姿勢や体操を行うことを心がけ、腸腰筋を柔らかくするようなストレッチも取り入れてみるのも良いかもしれません。

腰痛と便秘が同時に発生する疾患とは

女性の疾患になりますが、子宮筋腫ができてしまうと、腰痛と便秘の発生が同時に起こる場合があります。子宮筋腫は子宮の筋組織である平滑筋が増殖して大きくなってしまう良性腫瘍ですが、婦人科腫瘍性病変の中では最も高頻度なものとされています。

過多月経、過長月経、月経痛などの症状がみられるされますが、筋腫が大きくなるにつれて子宮周囲組織を圧迫し、便秘、腰痛、頻尿などの症状にも繋がると言われています。

便通を改善するのに大切なこと

便通が腰痛にも関わっているこということで、最後に便通を改善する上で、大切なことをご紹介したいと思います。

食生活

不規則な食生活や偏った食事によって便秘が発症することはわかっていますので、食生活を正すことが重要です。そのため、1日3食の食生活をはじめ、食事も肉などたんぱく質が中心の方は野菜を食べるもちゃんと意識し、栄養バランスを考える必要があります。

特に朝食を食べる重要性は明らかで、体内リズムを整えてくれるだけでなく、胃や腸を刺激し、排便を促してくれるような効果も認められています。

食物繊維の摂取

便秘の改善には食物繊維の摂取が欠かせません。私たちの腸内には善玉菌、日和見菌、悪玉菌の主に3種類の腸内細菌のバランスにより、腸内環境が維持されていますが、便秘になる要因としては悪玉菌の割合が増えて、腸内環境が乱れてしまうことが挙げられます。

食物繊維はビフィズス菌や乳酸菌といった善玉菌を増やす効果があることが確認されており、食物繊維の摂取により、腸内環境も整えることができれば、便秘の改善にも繋がると期待できます。食物繊維は豆類や野菜、果物、きのこなどに多く含まれており、一食の主食を玄米ごはん、麦ごはんなどに置き換えるのも効果的に食物繊維が摂取できると言われています。

運動

便秘は運動不足によっても生じやすく、適度な運動を心掛けることも重要です。激しい運動よりもウォーキングやジョギングといった有酸素運動の方が、腸管運動を促進するのに良いとされています。また、「ねじり」がある運動も腸管運動を整える効果があり、ねじりを加えることで、腸管が刺激され、自律神経を保つのにも良いとされています。

睡眠

睡眠と便秘の関連性についても報告があり、十分に睡眠が取れてない人を対象とした研究では、明らかに便秘症状を有している人が多いと報告されています。また、中途覚醒時間も便秘がある人で有意に長かったというデータもでています。そのため、なるべく規則正しい生活を行うようにし、生活リズムを整えることができれば、それに伴って自律神経も整うとされますので、結果的に睡眠の質および便秘の改善に繋がることが期待できます。

水分補給

便秘は水分の不足とも関係しており、腸管内の脱水状態は便の性状を硬くすることがわかっており、成人や高齢者においては脱水や水分制限が便秘症状を増加させる要因になると言われています。そのため、水分補給をしっかり行うことで、便は柔らかくなり、排便しやすくなることが期待されます。

ただし、不規則な生活習慣とアンバランスな食生活を送っている人が、水をたくさん飲んだとしてもあまり効果は期待できないと考えられます。きちんとした食生活と生活習慣を前提とした上で、しっかり水分をとることが重要であると考えられます。

まとめ

便秘と腰痛はあまり関係ないと思われるかもしれませんが、意外と関係している点もあります。便秘にならないための生活習慣を心がけ、長時間同じ体勢で作業を続けないような工夫や体操などを日常生活に取り入れて、腰痛予防対策も実践してみましょう。

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