辛い便秘、トイレに籠って時間だけが過ぎていく事や食事を楽しめないなど、日常生活にも支障をきたす場合もあるかと思います。
便秘を解消するためには、飲み物を摂取して改善に努めることをおすすめします。飲み物は持参しやすいですし、手元にない場合も購入しやすいからです。実際自分が便秘になった際は、手に入りやすい飲み物を探し求めます。
便秘と言っても、症状により解消方法は異なります。便秘に効果のある飲み物の種類や便通改善に期待できる成分をご紹介していきますので、自分の便通の状態と照らし合わせて、便通対策の参考にしてみてください。
尚、便や腸の状態が悪い時は、思わぬ病気が潜んでいることもありますので、医師などの専門家に相談することをおすすめします。
目次
便秘タイプは?
便秘が習慣化した状態である慢性便秘症は、何らかの疾患によって便秘が引き起こされる器質性便秘と、特に基礎疾患がないにも関わらず便秘の症状が出る機能性便秘に大別されます。多くの人が経験したことがあるであろう、機能性便秘は症状・原因により、以下の3つに分類されます。
大腸通過遅延型
大腸通過遅延型便秘症は、大腸が過度の緊張を起こした状態により便を運ぶ流れが滞り、コロコロした硬い便となって排出されます。
精神的なストレスを抱えている時や環境が変化した時、自律神経の乱れなどによって便秘の症状が現れる場合は、大腸通過遅延型タイプに当てはまります。便秘と下痢を交互に繰り返す症状に悩まされることが多いのも特徴です。ストレスと大腸は、一見関係のないように思いがちですが、便秘や下痢の症状となって、自分の体を労わるサインとして受け取ることができます。
大腸通過正常型
機能性便秘の中で最も多いのが、大腸通過正常型タイプの便秘症です。大腸の運動量が低下し、大腸内に便が長く居座ることで便が硬くなり、排便回数や排便量が少なくなります。
水分摂取量が少ないことや食物繊維不足、腹筋力の低下などが原因で、特に女性や高齢者がなりやすい便秘症です。食物繊維の摂取を意識するだけでも便秘の改善が見込めることが多いです。
食事制限を行う場合は、水分不足や食物繊維不足は便秘の元になってしまうので、注意をしながら健康的な美しさを目指しましょう。
機能性便排出障害
便が直腸まで到達しているにも関わらず排便反射が起きず、便が直腸に停滞した状態を、機能性便排出障害といいます。
食べた物が排便に至るまでの流れは、胃・小腸・大腸で消化されなかった食べ物の残りが糞便となり、その後直腸へ便が運ばれ、便意を感じ排便する仕組みになっています。便意を感じても我慢する癖がついている場合、直腸まで便が辿り着いても便意を感じる排便反射が鈍くなり、結果直腸で便が停滞して便秘傾向になってしまいます。
排便反射が起きた時に自然に排便が行えるよう、排便のリズムに従う生活を心掛けることが大切です。
便を柔らかくする方法
便秘の症状で悩ましいのが、便が硬いことが挙げられるかと思います。この悩ましい問題は、便を柔らかくする働きをもつ食品を摂取することで便通改善に導くことができます。
便を柔らかくする作用のある食品としては、果物や海藻、こんにゃくなど食物繊維が多いものが挙げられます。
便通が悪い状態とは、コロコロした兎の糞状の便や排便困難を感じる場合などの、排出すべき便を十分な量かつ快適に排出できない状態である時などです。このように、便が硬い状態であることや腸の働きが悪いことなどが便通のトラブルの要因として大きく関係しています。
硬い状態にある便を、強くいきんで無理やり排出する行為は肛門を傷つけてしまう恐れがあります。便秘気味と感じた時点で、まずは便を柔らかくする食品を摂取することも便秘解消方法の1つです。
手軽に摂取できる飲み物
便秘に効果のある成分を摂取する方法として、手軽に体内に取り入れやすいのが飲み物です。飲み物は仕事中や通勤中、運転中など比較的どんな環境にあっても摂取しやすいのがメリットです。コンビニなどでも手に入りやすい、便秘に効果的な飲み物を5つご紹介します。
水
便秘の原因に水分不足は大きく関係しています。
しかし水以外の飲み物、例えばアルコール類などには利尿作用効果が働くものもあり、水分を摂取してもすぐに体外へ排出してしまうなど、水分摂取の効果が薄れてしまう可能性がある場合もあります。水は便秘対策として最も手軽に摂取できるものなので、普段の水分摂取量よりも多めに飲んでみると快便への道が期待されます。
牛乳
牛乳を摂取することで排便の回数や排便量が増えるという研究が報告されています。
飲むタイミングでおすすめなのは、朝起きた時にコップ1杯分の牛乳を飲み、排便の合図を送る方法です。朝の牛乳を習慣化してみるのもいいかと思います。
なお、牛乳に含まれる乳糖は、人によって大量にとると消化しきれないことがあります。お腹を下す原因となることもありますので適量の摂取をお願いします。
飲むヨーグルト
ヨーグルトには整腸作用があることは皆さんご存知かと思いますが、もちろん飲むタイプのヨーグルトにも同じ効果が期待できます。
飲むヨーグルトにはビフィズス菌や乳酸菌などの、善玉菌として腸内環境を改善する働きを持つ微生物が含まれています。腸内環境が整うことによって便通をよりスムーズに高めることに期待できます。
ココア
チョコレートやココアの原料であるカカオ豆にはカカオリグニンという成分が含まれており、カカオリグニンにはお腹の調子を整える機能が報告されています。
食物繊維といえば、野菜を思い浮かべる方が多いかと思いますが、実はココアも食物繊維を多く含む食品として分類されるのです。
また、ココアに含まれるカカオリグニンには、便通が良くなるだけでなく、便臭までも改善される見込みがあります。
サプリメントも便利
便通の改善に繋げる方法としては、サプリメントなどを利用することもおすすめします。サプリメントにはタブレット形状や粉末状など好みに合わせて様々なタイプが製品化されています。タブレットやカプセル形状であれば、意識して少し多めの水分摂取もできます。
お腹の調子を整えたり、便秘気味な方の便通を改善できる機能が報告されている機能性表示食品は、サプリメントタイプやチョコレート、お茶など様々な種類が商品化されているので、生活習慣の改善とともに利用すると一層高い効果が期待できると思います。
便通の改善に期待できる成分
便通が悪い時は手軽に取り入れやすい飲み物を摂取して、快便に繋げることをおすすめしてきましたが、ここでは便通の改善に効果的な成分を4つ解説します。
食物繊維
食物繊維は腸内の善玉菌を増やす働きがあります。善玉菌は腸の運動を活発にし、健康的な腸内環境を作り出してくれます。身近なところで言うと、野菜や豆類、発酵食品など食物繊維が多く含まれている食品はスーパーなどで簡単に入手できます。日々の食事で食物繊維の摂取を意識するだけで、便秘気味の方の便通が改善されることに期待できます。
ビフィズス菌
ビフィズス菌は、お腹の調子を整える成分としてよく知られた代表的なものです。人の腸内には様々な菌が生息しており、ビフィズス菌は善玉菌として働き、便通に悪い影響を与える悪玉菌の増殖を抑えます。ビフィズス菌が含まれている代表的な食品といえば、やはりヨーグルトです。ビフィズス菌を含んだ食品を摂取することで、腸内環境を整え便秘気味の方の便通を改善する機能が期待できます。
乳酸菌
乳酸菌はビフィズス菌と同じく善玉菌の一種であり、腸内の悪玉菌の増殖を抑えて腸内環境を整える働きをしてくれます。悪玉菌は食生活の乱れや便秘などが原因で腸内に増加してしまいます。排便回数が少ないと感じている方は、乳酸菌の摂取で便通の改善を図ることに期待ができます。
また、乳酸菌の種類によっては便通の改善効果だけでなく、悪玉コレステロールの低下や健康な人の免疫機能の維持に役立つ効果など、様々な働きがあると言われています。
オリゴ糖
オリゴ糖とは、砂糖や大豆などを原料にして作られた成分でいくつかの種類があります。一般的には、乳酸菌やビフィズス菌などの善玉菌のエサとなり、腸内環境を改善します。そのため、オリゴ糖を含んだ食品を摂取すると、腸内環境が整えられ、便通の改善に期待ができます。
オリゴ糖は一般の食品では、きな粉、ごぼう、玉ねぎ、にんにくなどに比較的多く含まれています。また、機能性表示食品の機能性関与成分として、甘味料やチョコレートとして商品化されているものがあるので、効率よく摂取できるのは有難いことです。
買い物の際、商品の原料名内にオリゴ糖が入っているかを確認するのも、新たな発見があって楽しめるかもしれません。
イヌリン
イヌリンという成分は、あまり聞き馴染みのないものかと思います。イヌリンはビフィズス菌の増加を促す効果があり、腸内環境を改善してお腹の調子を整える効果を期待できることが報告されています。イヌリンは、ごぼうや菊芋、チコリなど、野菜の根や茎、葉や種に多く含まれている成分です。これらの野菜を食する以外に、イヌリンにも機能性表示食品として商品化されたスープ、紅茶、ココアやお茶などの飲み物があるのでおすすめです。
便通の改善には食物繊維が効果的
便通は、食物繊維の摂取を適正化することで、改善される場合が多いとされています。ここでは食物繊維について詳しく解説していきます。
食物繊維の種類
一口に食物繊維と言っても、大別すると水に溶ける水溶性食物繊維と水に溶けにくい不溶性食物繊維の2種類から成り立ちます。水溶性食物繊維は腸内の善玉菌を増やし便を柔らかくする作用があり、不溶性食物繊維は便の量を増やし腸内を活発化させ便通を整える働きをしてくれます。
しかし、やみくもに食物繊維を摂るには注意が必要です。大腸通過遅延型や機能性便排出障害の便秘症に当てはまる方の積極的な食物繊維摂取は、かえって便秘症状の悪化を招く場合も多くあると言われています。
食物繊維の目標摂取量
食物繊維の1日あたりに摂るべき理想の摂取量は、18~64歳の男性で21g以上、18~64歳の女性で18g以上とされています。分かりやすく食品で例えると、ごぼう2本で約10g、アボカド2個で約12g、乾燥ひじきには約50gの食物繊維が含まれています。
このように数字で表すと、普段の食物繊維の摂取量が少なかったと改めて気づかされる方も多いのではないでしょうか。1日の目安としての食物繊維の摂取量を知っておくことで、今後の食生活の見直しに役立てることができます。
食事での食物繊維の取り入れ方
食物繊維を普段の食生活に取り入れるという意識持っていれば、作る料理も購入する食品も変わり、そして便通の悩みも次第に改善していくはずです。
水溶性食物繊維を多く含む食品としては、果物や繊維の柔らかいキャベツやにんじん、海藻類などで、不溶性食物繊維は根菜類やきのこ類、たけのこなどの繊維の固い野菜、豆類などに多く含まれます。
野菜スープや味噌汁だと、便通改善に効果的な食物繊維と水分を摂ることができるので、食事でのいい取り入れ方法かと思います。
食物繊維の種類によってそれぞれ作用が異なりますので、自分の便の状態を把握して食事に取り入れることをおすすめします。
まとめ
便通対策としておすすめの飲み物を中心にご紹介しました。便秘にも症状や原因は様々であることや便通に良いイメージのある食物繊維も、便秘のタイプによっては症状が悪化してしまう恐れがある場合もあることがお分かりいただけたかと思います。
飲み物は、何か作業をしながらでも取り入れやすいですし、食事が喉を通らない場合も水分ならば比較的摂取しやすいかと思います。
便通に良い成分もお伝えしてきましたので、日々体内に取り入れている成分にも目を配りながら、ぜひ飲み物を利用した便秘解消方法を試してみてください。