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健康食品ってなに?改めて確認しよう!
健康食品と聞くと、イメージとして健康に良さそうなカプセルやドリンクなどを思い浮かべる方も多いと思います。また、サプリメントや健康補助食品、栄養補助食品などと、呼び方も様々なので混乱してしまいますね。実は、これらの呼び方は、法律上特に決められた用語というものではなく、俗称として各メーカーなどがその製品のイメージに合った呼び方として使われているだけなのです。ただし、一定の基準を満たすことによって、呼び名が決められている健康食品もあるので、以下を読んで、健康食品にはどのような種類があるのか理解していただきたいと思います。
健康食品にはいろいろなカテゴリーがある
健康に良いことを期待して口にする医薬品以外の食品を、最も広い意味で健康食品とした場合、大きく分けると一般的な健康食品と保健機能食品に区別できます。それぞれを解説していきます。
一般的な健康食品
健康食品という呼び方も、特に国の制度として決められているものではありませんが、次項で解説する保健機能食品と区別するために使われたりします。一般的な健康食品は多くの場合、健康食品やサプリメント、その他にもいわゆる健康食品、栄養補助食品などとも呼ばれることもあります。
あくまでも食品として提供されるのが前提である事や、国の制度に基づいた手続きをとったものではない為、どのような効果が期待できるのかといった機能面での訴求はできません。
とはいっても、配合されている成分から情報などを得て、自身の健康のために利用している人は多く、昔から人気があるのが一般的な健康食品です。
保健機能食品
保健機能食品は、平成13年から国の制度として始められたもので、現在では、特定保健用食品、機能性表示食品、栄養機能食品などがあります。イメージとしては、一般的な食品と医薬品の中間にあり、機能を表示することのできる食品群というものになります。
保健機能食品は、国が定めたそれぞれのルールに従った手続きを踏むことによって、機能性を表示できるのが特徴になります。
それぞれの特徴を解説してゆきます。
特定保健用食品
特定保健用食品(通称トクホ)が機能性を表示する為には、それぞれの製品ごとに有効性や安全性についての科学的根拠を明らかにした上で、国の審査を受ける必要があります。国が審査をして許可を与えるという点で、後に解説する機能性表示食品とは異なる手続きを経ているという違いがあります。
特定保健用食品制度は、保健機能食品制度が施行される10年前の平成3年に発足し、平成5年には第1号として資生堂の「ファインライス」と森永乳業の「低リンミルクL.P.K.」の2つが発売されました。令和5年8月の時点では1053件の食品が許可を受けています。
栄養機能食品
栄養機能食品の定義は、人の生命・健康維持に必要な特定の栄養素の補給のために利用されることを目的とした食品となります。
特定の栄養素とは、ビタミン類(13種類)とミネラル類(6種類)のことで、「日本人の食事摂取基準」に基づいた一日の摂取目安量や摂取上の注意事項の表示など、国が定めた基準に沿っていることを条件に、許可や届出がなくても栄養機能の表示をすることができます。
現在栄養機能食品として機能性を表示ができるものは次の栄養素になります。
■ビタミン(13種類)
ナイアシン・パントテン酸・ビオチン・葉酸・ビタミンA・ビタミンB1・ビタミンB2・ビタミンB6・ビタミンB12・ビタミンC・ビタミンD・ビタミンE・ビタミンK
■ミネラル(6種類)
亜鉛・カリウム・カルシウム・鉄・銅・マグネシウム
■脂肪酸 (1種類)
n-3系脂肪酸
機能性表示食品
3つの保健機能食品の中では一番新しい制度となる機能性表示食品は、平成27年に施行されました。開始から8年を経た令和5年8月の時点で7000件を超える品目が届出を受理され、最も品目数が多い食品となっています。
前述しましたが、機能性表示食品の場合、特定保健用食品とは異なり、国の個別の許可を受けたものではなく、事業者の責任でその機能性を表示することになっています。
事業者が届出をするにあたっては、機能性についての科学的根拠として、次の2つのいずれかの評価を行った上で、書類を整えることになります。
- 最終製品を用いた臨床試験
- 最終製品または機能性関与成分に関する研究レビュー
いずれも、ヒトを対象とした試験が必須で、例えば、ランダム化比較試験(研究の対象者をランダムに2つのグループに分け、一方には評価しようとするものを摂取させ、もう一方には対照となるものを摂取させて比較する臨床試験)などの信頼性の高いデータが求められます。
健康食品に対する良くある間違い
健康食品は、野菜や肉など普段の食事として食べている明らか食品と違い、健康に対する身体的な効果を期待して摂取するものです。中には医薬品のような感覚で使用している方も多いのではないでしょうか。ここでは意外と見落としがちな健康食品に対する間違いをいくつか挙げてみたいと思います。
品質に対して日本政府が管理・審査している
前述したように健康食品には様々な種類があります。中でも特定保健用食品や機能性表示食品などは、国が品質を管理しているものだと思っている方もいるかもしれません。これは間違いで、特定保健用食品は機能性・安全性・品質管理体制等について国が審査を行っており、機能性表示食品はそれらを事業者の責任に基づき国へ届け出ていますが、実際の個々の製品の品質に関してはあくまでも事業者の責任で管理しています。購入した製品で何かのトラブルが発生したとしても、国に責任が及ぶことは基本的にありません。
たくさん摂取するほど効く
これも健康食品を使用している方の中には意外と多い間違いの一つと言えるでしょう。沢山摂ればその分効き目が早くなるなど、気持ちはわからなくもありませんが、多く摂れば良いというものではありません。
逆に、過剰摂取となって健康を害してしまうものもありますので、パッケージに記載された量を守るようにしましょう。
万人に対して有効
健康食品には効果を実感したいものです。しかし、すべての人に効果があるとは限りません。健康食品はあくまでも食品の範疇なので、医薬品とは根本的に異なる考えで取り入れるべきでしょう。どうしても個人差があり、合う合わないは出てきてしまうので、まずは短期間で試してみて、自分に合うようであれば続けてみることをおすすめします。
効果を体感しにくい
人によっては健康食品に効果など期待できないと考えている人は少なくありません。
前項とは反対のことを言うようですが、健康食品には人によって効果を感じられることがあるのは事実と言えます。一般の健康食品であれば、20年30年と長く販売している製品があり、その愛用者は事実としてなんらかの効果を体感しているのでしょう。
また、トクホや機能性表示食品には一定のレベルをクリアした科学的根拠があるので、個人差はあるかもしれませんが、効果を期待できるものです。
副作用がない
健康食品は医薬品ではないので副作用が無いと考えている人は多いのではないでしょうか。副作用という言葉自体が医薬品で使われる用語になるので、健康食品ではあまり用いられませんが、それに似た身体の反応はゼロではありません。
例えば、アレルギー反応などには注意が必要になりますし、過剰摂取による弊害も健康食品における副作用と言えるでしょう。
公益財団法人 日本健康・栄養食品協会とは
ここまで健康食品の基礎知識について解説してきましたが、これら健康食品に関わる様々な取り組みを行っている公益財団法人 日本健康・栄養食品協会(以下、日健栄協)について解説したいと思います。具体的にどのような取り組みを行なっているのかを知って、皆様の健康食品選びに役立ててください。
公益財団法人とは
日健栄協の話に触れる前に、公益財団法人とはどのようなものなのか説明しておきたいと思います。
公益財団法人とは、簡単にいうと、社会に良い影響を与える目的(公益性)を持って活動する団体のことです。一般の社団法人や財団法人とは異なり、民間の有識者からなる第三者委員会による審査を経て行政庁から認定を受けることになっています。
日本健康・栄養食品協会の活動
健康食品に関わる様々な取り組みを行う日健栄協は、具体的にどのような活動を行なっているのでしょうか。その主な活動であるJHFAマーク、SAFETYマーク、GMP認定、機能性表示食品の届出後分析、健康食品相談室、食品保健指導士の6つについて解説してゆきます。
JHFAマークとは
様々な健康食品を目の前にしたとき、一体どれが本当に信頼できる商品なのか迷ってしまうこともあるでしょう。そんな時にチェックしたいのが健康食品の認定マークです。
そのうちの一つであるJHFAマークは、日健栄協が審査・認定しているもので、消費者の安心・安全な商品選択をサポートするために提供されています。
このマークを取得するためには、製品の品質をはじめとして、様々な科学的情報や法規制などに基づいた製品設計や原料規格、製造工程などについて「認定審査会」での審議をクリアする必要があります。
製品を選ぶ際にJHFAマークの認定があれば安心して購入できるのでおすすめです。
含有成分などの規格基準
ここからは、具体的にどんなことを審査しているのか解説してゆきます。
JHFAマークには、「規格基準型」と「個別審査型」の2種類があります。
現在「規格基準型」では69種類の成分についての規格基準を設定しています。その規格基準を設定する部会では、成分に関する専門家を中心に、適切な摂取量や安全性などが検討されています。JHFAマーク取得にあたっては、製品に配合する成分が、その規格基準に合ったものである必要があります。
また、「個別審査型」は、規格基準のない食品カテゴリーに位置するものに対して、各製品ごとに審査が行われています。
製造・加工等の基準
JHFAマークでは、含有成分だけでなく、製造や加工に関する内容についても審査の対象となっています。
食品としての衛生管理や安全管理が行き届いた工程であるかなどを厳しくチェックしています。
適正な表示・広告
製品を販売する側は、パッケージなどに食品として適正な表示を行う義務があります。また、健康食品の場合はさらに厳しく管理しなければならない要素が出てきます。
例えば、法律で必要な食品表示の他、パッケージに表示されるキャッチコピーなどでは、消費者に医薬品などと誤認を与えるような表現は禁止されているので、消費者保護の観点でそういったものも正しく守られているか審査しています。
SAFETYマークとは
SAFETYマークは、事業者が自ら行う「安全性自主点検」で決められた各項目について、日健栄協が審査、認証したものに付与されるものになります。
「安全性自主点検」とは、健康食品やサプリメントの安全性について、事業者が自己点検を行うもので、平成17年厚生労働省の通知文章に基づいて実施されています。
審査内容
SAFETYマークの審査内容は次のとおりです。
・原材料(製品)設計(1日摂取目安量の科学的根拠、注意喚起事項)
原産地、使用部位、食経験、文献検索、毒性試験など
・製造工程管理
適正な製造工程管理チェックリストによる点検、GMPなど
・健康被害情報の収集と対応
文献検索を含む定期的な情報収集(1回/年以上)と有害事象への対応
GMPとは
GMPとはGood Manufacturing Practiceの略で「適正製造規範」といい、食品などの製造工程において一定の品質の製品を製造するために必要な基準のことで、医薬品や化粧品にも導入されています。
日健栄協は、健康食品GMPの認証事業を行う団体の一つで、厚生労働省の支援を受けて運営されています。
GMPの認定マーク
日健栄協のGMP認定マークには、「GMP工場マーク」と「GMP製品マーク」があります。
GMPの認定を受けた工場で作られた製品は、パンフレットや広告などで「GMP工場マーク」を表示する事ができます。さらに、個別の審査で承認を受けた製品には、製品のパッケージに「GMP製品マーク」を表示する事ができるので、製品を選ぶ際にはこちらのマークがついているかどうか確認してみることをおすすめします。
機能性表示食品の届出後分析実施状況の情報公開
機能性表示食品は、事業者の責任のもと消費者庁に届けられた食品です。国が届出を受け取っているとはいえ、審査しているわけではなく、製品自体の責任はあくまでも事業者にあります。そこで、消費者庁は、届出後における安全性や機能性の根拠を維持して消費者を保護するために、製品の分析や健康被害の情報を集めるよう事業者などに通知を出しました。
どうして公開するの?
消費者庁は、届出後の分析実施状況については、消費者が届出者に問い合わせを行うことなく簡単に確認できるよう、事業者のホームページ等で自主的に情報公開する取り組みを推奨しています。しかし、全ての事業者がそれに対応できるわけではないため、日健栄協のような事業者団体が、事業者に代わって情報公開する場を提供しているのです。
何が分かるの?
機能性表示食品の届出後分析実施状況の情報公開では、機能性表示食品が安全であり、表示する機能性を発揮するのに十分な機能性関与成分が含まれていることを明確にするために、成分の含有量を計測して、定期的に公開しています。
その情報は、日健栄協の以下のリンクから見ることができます。
日健栄協の公開サイトで情報公開しているメーカー
2023年9月現在、機能性表示食品の届出後分析を実施している事業者は以下になります。(事業者名をクリックするとサプステのメーカーページに遷移します。)
大塚食品㈱、大塚製薬㈱、カネカユアヘルスケア㈱、㈱健康家族、小林製薬㈱、坂元醸造㈱、サッポロビール㈱、サンスター㈱、大正製薬㈱、タテホ化学工業㈱、帝人㈱、㈱ニコリオ、日新製糖㈱、㈱ニッスイ、㈱パールエース、フォーエバーリビングプロダクツジャパン、三井製糖㈱、㈱明治、㈱桃屋、森永乳業㈱、㈱ヤクルト本社、養命酒製造㈱、ライオン㈱、ロート製薬㈱、㈱ロッテ
健康食品相談室(消費者向け)について
日健栄協には、健康食品を利用している人やこれから利用したいなど一般の人に向けて、質問や相談に答える窓口があります。
健康食品の専門家が直接答えてくれるので、利用してみてはいかがでしょうか。
どんな質問ができる?
例えば、飲み方や選び方、商品パッケージの見方など、健康食品全般の様々な質問に答えてくれます。
利用方法
利用方法は電話かウェブの質問フォームから受け付けています。
電話での相談
電話相談受付:火・木(祝日、当協会の休業日 12/29-1/4、7/1 はお休み)
時間:午後1時から午後4時まで
専用電話:03-3268-3295
※相談員の都合により、相談室をお休みさせていただく場合があります。
ウェブでの相談
「健康食品相談室」相談申込フォーム
食品保健指導士について
食品保健指導士は、健康食品についての正確な情報を消費者に提供できる、健康食品の専門家のことで、日健栄協が養成、認定しています。
食品保健指導士の仕事
例えば、食品関連の企業で勤務している人の場合だと、健康食品を商品化する際に必要な関連法規や表示事項などの知識を活かすことや、お客様相談室での業務に役立てることができるでしょう。また、保健医療機関や食品行政関係などに勤務している場合は、健康食品や保健機能食品の消費者への適切なアドバイスなどが可能になります。
食品保健指導士になるには
講習会を受講後、認定試験に合格した方は「食品保健指導士」として認定されます。
目指してみようという方は下記のリンクから詳細をご確認ください。
食品保健指導士について
目的・種類によって使い分け!認証マークについて
これまで、日健栄協が管理する認証マークを解説してきましたが、他にも健康食品や食品に関する認証マークはあります。その一部を紹介します。
食品の認証マーク
・JASマーク
JAS法に適合した食品や飲料に表示しています。(農林水産庁)
・有機J ASマーク
有機栽培で作られた農作物などに表示しています。(農林水産庁)
・HACCP(ハサップ)マーク
HACCP(総合衛生管理)に基づいた工場で生産された食品に表示しています。(厚生労働省)
・公正マーク
公正競争規約(景品表示法・公正競争規約の運用を円滑かつ効果的に進めることで、公正な取引の促進をはかることを目的に定められた)に従い適正な表示をしていると認められた商品に表示しています。現在、飲用乳、食用塩、はちみつ、特定保健用食品、ローヤルゼリー、他34種類のマークがあります。 (一般社団法人全国公正取引協議会連合会)
健康食品の認証マーク
・特定保健用食品マーク
関与成分を含み、特定の保健の目的が期待できる食品に表示されています。(消費者庁)
・特別用途食品マーク
乳児の発育や、妊産婦、授乳婦、えん下困難者、病者などの健康の保持・回復などに適するとされた食品に表示されています。(消費者庁)
サプステの紹介
サプステで紹介している製品にも認証マークを表示しているものがありますので以下で紹介します。
サプステで確認できるマーク
JHFAマーク
製品
EPA(イーピーエー)・DHA(ディーエイチエー)シームレスカプセル
グルコサミン
納豆博士
まとめ
健康食品は、種類がたくさんある分、いざ選ぼうとすると迷ってしまうものです。この記事では、そのような方に健康食品、サプリメント選びのサポートをしてくれるサービスを行う日本健康・栄養食品協会の取り組みについて紹介しました。製品のパッケージなどでJHFAマークを確認したり、それでも迷うようであれば、電話やウェブから相談してみるのもいいでしょう。