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2023/07/27

女性の血圧の平均はどのくらい?血圧と女性の関係について考えよう

血圧の測定は健康診断や病院での受診以外でも経験する身近なものです。ただ、自分の血圧が平均値に近いのか、正常なのか、ということを把握している方はそこまで多くはないのかもしれません。

血圧は女性の健康管理にとって欠かせない判断材料になります。この記事では女性の血圧の平均や血圧と女性の健康の関係について解説していきます。

そもそも血圧とは?

血圧は心拍出量(1分間に心臓から駆出される血液量)×全末梢血管抵抗(血管床の面積・動脈壁の弾性・血液の粘性)で表されます。これを簡単に言い換えると、心臓が動脈に送り出す血液の流れが血管内側の壁にどのくらいの圧力をかけているのかを表す数値、ということになります。

血圧を測定することにより、健康状態を把握し、脳血管疾患などさまざまな病気へのリスクが高まっていないかを知ることができます。そのため、医療機関への受診の際には血圧の測定は必須ともいえる事項なのです。

血圧の測定結果は、以下の2つの値で表されます。

収縮期血圧

一般的に、「上の血圧」と呼ばれているのが収縮期血圧です。また、最高血圧と呼ばれることもあります。心臓が収縮し、血液が動脈に送り出されるときの血圧、と考えると分かりやすいでしょう。

拡張機血圧

「下の血圧」と呼ばれているのが拡張期血圧です。また、最低血圧と呼ばれることもあります。心臓が収縮して血液を送り出した後、次第に膨らんで血液をためているときの血圧、と考えると分かりやすいでしょう。

高血圧とは

高血圧は収縮期血圧と拡張期血圧の両方かまたはどちらかが基準の値以上に高い状態のことです。日本人の生活習慣病による死亡で、喫煙と並び最も大きな原因になるとされています。近年、国民全体の高血圧はかなり減少しましたが、現在でも成人以上の国民2人に1人くらいが高血圧と言われています。

ひと口に高血圧と言っても二次性高血圧と本態性高血圧の2種類があります。二次性高血圧は副腎や甲状腺などに疾患があったり、睡眠時無呼吸症候群があったりするために血圧が基準以上に高くなっている状態です。いっぽう、本態性高血圧のほうは食塩の摂りすぎや飲酒、運動不足やストレス、肥満など、生活習慣や遺伝的な体質が原因になって血圧が基準よりも高くなっている状態です。なお、日本人の高血圧で大部分を占めるのは本態性血圧だと考えられています。

血圧は病院などの診察室で計測する「診察室血圧」と自宅で測る「家庭血圧」という考え方があります。前者は後者よりも高い値が出る傾向があり、高血圧の診断基準値は家庭血圧のほうがか診察室血圧よりも5mmHg低く設定されています。

動悸・息切れ

血圧が下がることにより心筋に血液が十分に供給されなくなると動悸や息切れを伴う胸痛が起こることがあります。それは狭心症のサインかもしれません。胸骨の後ろに不快感や圧迫感が現れます。

低血圧とは

低血圧は高血圧のような明確な基準があるものではないとされています。血圧の値が性別や年齢、気候や生活環境などによって影響を受けやすいことにより、低血圧の基準に関しては学術的にもさまざまな見解があるようです。一般的には男女ともに収縮期血圧が100~110mmHgだと低血圧と判断されることが多いといえます。また、低血圧の測定は高血圧の場合同様、1回の測定で判断することは避け、測定する条件には十分気をつける必要があります。

低血圧の一般的な症状は、疲れやすさ、倦怠感、あくび、耳鳴り、立ちくらみ、頭痛や手足の冷感などさまざまなものが挙げられます。

低血圧はいくつかに分類されます。その内の、体質性低血圧といわれる症状は、どのような姿勢をとっても血圧の値が低く、症状がない状態のことを表します。

女性の血圧の平均はどのくらい?

女性の健康維持のためにも、血圧の値は重要な判断基準になるのは当然のことでしょう。ここからは女性の血圧について知るために、女性の血圧の平均について考えていきたいと思います。

平均値にはさまざま種類がある

女性の血圧の平均について考える前に、まずは平均値とされる値にはさまざまな種類があることを説明しておかなければなりません。

すでに説明したように、血圧の値は性別や年齢、地域によって影響を受けます。また、同じ性別や年齢でも、1回目の測定か2回目の測定かなど、さまざまな条件によって変動しやすく、1度の測定で平均値を弾き出すわけにはいきません。そのため、いろいろな条件での測定の平均値を出し、全体としての平均値を出す必要があるのです。

女性の血圧の平均値

それでは、女性の血圧の平均値はどのくらいなのでしょうか。ここでは、血圧を下げる薬を服用したかどうかの条件での平均値をそれぞれ挙げ、最後に年代別の平均値について説明します。
出典:厚生労働省 平成12年第5次循環器疾患基礎調査 

まず、血圧を下げる薬を服用した女性の平均値を年代別で説明します。

30代の収縮期血圧の平均値は115.0mmHg、拡張期血圧の平均値は77.0mmHg
40代の収縮期血圧の平均値は143.5mmHg、拡張期血圧の平均値は87.8mmHg
50代の収縮期血圧の平均値は147.2mmHg、拡張期血圧の平均値は89.1mmHg
60代の収縮期血圧の平均値は150.0mmHg、拡張期血圧の平均値は85.3mmHg
70代の収縮期血圧の平均値は151.0mmHg、拡張期血圧の平均値は80.3mmHg
となっています。

次に、血圧を下げる薬を服用していない女性の平均値を年代別で説明します。

30代の収縮期血圧の平均値は114.6mmHg、拡張期血圧の平均値は71.6mmHg
40代の収縮期血圧の平均値は123.5mmHg、拡張期血圧の平均値は76.6mmHg
50代の収縮期血圧の平均値は130.9mmHg、拡張期血圧の平均値は80.3mmHg
60代の収縮期血圧の平均値は137.8mmHg、拡張期血圧の平均値は80.8mmHg
70代の収縮期血圧の平均値は142.0mmHg、拡張期血圧の平均値は77.9mmHg
となっています。

最後に、血圧を下げる薬の服用の有無に関わらず、対象とした全ての女性をまとめて測定した平均値を年代別で説明します。

30代の収縮期血圧の平均値は113.5mmHg、拡張期血圧の平均値は71.3mmHg
40代の収縮期血圧の平均値は123.4mmHg、拡張期血圧の平均値は77.0mmHg
50代の収縮期血圧の平均値は132.5mmHg、拡張期血圧の平均値は81.4mmHg
60代の収縮期血圧の平均値は140.3mmHg、拡張期血圧の平均値は81.7mmHg
70代の収縮期血圧の平均値は144.7mmHg、拡張期血圧の平均値は78.5mmHg
となっています。

男性の血圧の平均値

それでは、男性の血圧の平均値はどのくらいなのでしょうか。女性の平均値と同じように血圧を下げる薬を服用したかどうかの条件下の平均値をそれぞれ挙げ、最後に年代別の平均値について説明します。出典:厚生労働省 平成12年第5次循環器疾患基礎調査 

まず、血圧を下げる薬を服用した男性の平均値を年代別で説明します。

30代の収縮期血圧の平均値は148.0mmHg、拡張期血圧の平均値は92.8mmHg
40代の収縮期血圧の平均値は150.4mmHg、拡張期血圧の平均値は93.8mmHg
50代の収縮期血圧の平均値は149.7mmHg、拡張期血圧の平均値は91.8mmHg
60代の収縮期血圧の平均値は149.5mmHg、拡張期血圧の平均値は86.7mmHg
70代の収縮期血圧の平均値は151.7mmHg、拡張期血圧の平均値は81.3mmHg
となっています。

次に、血圧を下げる薬を服用していない男性の平均値を年代別で説明します。

30代の収縮期血圧の平均値は123.9mmHg、拡張期血圧の平均値は78.3mmHg
40代の収縮期血圧の平均値は130.4mmHg、拡張期血圧の平均値83.9mmHg
50代の収縮期血圧の平均値は136.1mmHg、拡張期血圧の平均値は84.5mmHg
60代の収縮期血圧の平均値は140.7mmHg、拡張期血圧の平均値は83.6mmHg
70代の収縮期血圧の平均値は143.8mmHg、拡張期血圧の平均値は79.7mmHg
となっています。

最後に、血圧を下げる薬の服用の有無に関わらず、対象とした全ての男性をまとめて測定した平均値を年代別で説明します。

30代の収縮期血圧の平均値は123.7mmHg、拡張期血圧の平均値は78.5mmHg
40代の収縮期血圧の平均値は130.3mmHg、拡張期血圧の平均値は84.1mmHg
50代の収縮期血圧の平均値は137.5mmHg、拡張期血圧の平均値は85.4mmHg
60代の収縮期血圧の平均値は142.0mmHg、拡張期血圧の平均値は84.1mmHg
70代の収縮期血圧の平均値は146.2mmHg、拡張期血圧の平均値は80.0mmHg
となっています。

女性の血圧はどのくらいなら健康?

ここまでで女性の血圧の平均値についてお分かりいただけたかと思います。それでは、女性の血圧はどのくらいなら健康、といえるのでしょうか。

女性の血圧区分

日本、そして世界にはさまざまな血圧に関する研究があり、高血圧に対する基準もいくつか存在します。しかし、世界的にみてもほとんどのガイドラインには診察室血圧140/90mmHg以上を高血圧としています。

例えば、日本のある研究では、収縮期血圧120mmHg未満、拡張期血圧80mmHg未満では脳心血管病(脳梗塞、脳出血、狭心症、心筋梗塞など)の累積死亡率が一番低く、高齢者であっても収縮期血圧140mmHg以上は120mmHg未満と比べると脳心血管病のリスクが高い、という結果が出ています。

男性の血圧区分

日本高血圧学会の高血圧治療ガイドライン作成委員会による「高血圧治療ガイドライン2019」に掲載された値を紹介します。

「高血圧治療ガイドライン2019」では、男性と女性の成人における血圧値の分類を以下のように示しています。

正常血圧

診察室血圧で収縮期血圧が120mmHg未満かつ拡張期血圧は80mmHg未満。家庭血圧では収縮期血圧が115mmHg未満かつ拡張期血圧は75mmHg未満。

正常高値血圧

診察室血圧で収縮期血圧が120〜129mmHgかつ拡張期血圧は80mmHg未満。家庭血圧では収縮期血圧が115〜124mmHgかつ拡張期血圧は75mmHg未満。

高値血圧

診察室血圧で収縮期血圧が130〜139mmHgかつ/または拡張期血圧は80〜89mmHg。

家庭血圧では収縮期血圧が125〜134mmHgかつ/または拡張期血圧は75〜84mmHg。

I度高血圧

診察室血圧で収縮期血圧が140〜159mmHgかつ/または拡張期血圧は90〜99mmHg。

家庭血圧では収縮期血圧が135〜144mmHgかつ/または拡張期血圧は85〜89mmHg。

II度高血圧

診察室血圧で収縮期血圧が160〜179mmHgかつ/または拡張期血圧は100〜109mmHg。

家庭血圧では収縮期血圧が145〜159mmHgかつ/または拡張期血圧は90〜99mmHg。

Ⅲ度高血圧

診察室血圧で収縮期血圧が180mmHg以上かつ/または拡張期血圧は110mmHg以上。

家庭血圧では収縮期血圧が160mmHg以上かつ/または拡張期血圧は100mmHg以上。

(孤立性)収縮期高血圧

診察室血圧で収縮期血圧が140mmHg以上かつ/または拡張期血圧は90mmHg未満。

家庭血圧では収縮期血圧が135mmHg以上かつ/または拡張期血圧は85mmHg未満。

このように、主なガイドラインでは男女共に同じ値で高血圧のリスク基準を定めていることになります。既に述べたように女性の血圧の平均値は男性に比べ低いことから分かるように、男性に比べると女性の高血圧の割合は低い傾向になることがわかるのです。

女性と低血圧

男女ともに収縮期血圧が100〜110mmHgだと低血圧、と判断されるのが一般的です。また、女性の血圧の平均値は男性に比べると低く、そのため、女性が低血圧と診断される可能性は男性よりも高くなることがわかります。

女性にとって身近なものとして考える必要のある低血圧ですが、いくつかの種類があります。

その他、起立性低血圧に代表されるような、座っている姿勢から急に立ち上がるなどの姿勢の変化でも引き起こされます。

本態性低血圧 

血圧が慢性的に低い状態で、座っているときや立っているときに立ちくらみや頭痛、耳鳴りなどの症状が出やすいとされています。痩せ型を特徴としていますが、中には肥満型であったり、標準型の人にも見られるので注意が必要です。

起立性低血圧

寝ている時は血圧が正常ですが体を起こしたりするとめまいなどの症状が現れ、ときに失神して倒れてしまうなどの症状も起こる低血圧です。寝たり座ったりしている状態から立ち上がるなどの動作に伴い、3分以内に収縮期血圧が20mmHg低下するか、または収縮期血圧の値が90mmHgに低下、あるいは拡張期血圧が10mmHg以上低くなることが見られた場合に診断される症状です。

食後低血圧

自律神経にリスクのある高齢者や糖尿病患者を中心に、失神や転倒、脳卒中などの関連性があることで問題となっている症状です。一般的には食事後2時間以内に収縮期血圧が20mmHG低下する、あるいは収縮期血圧が食前では100mmHgだった時に食後90mmHg以下に低下するという状態で定義されます。

女性と高血圧

男性に比べると一般的に女性の血圧は低いのですが、逆に、女性には以下のような女性特有の高血圧のリスクもあります。

更年期と血圧

更年期の女性が高血圧の傾向を示す要因は様々ですが、閉経後には閉経前に比べ、高血圧になる女性の割合は2倍になる、という研究結果もあります。閉経後の血圧が上がる要因にはセストロゲンとプロゲステロンの作用の変化が可能性として考えられています。女性は閉経後肥満になることが多く、それが血圧の上昇にも関与すると考えられます。また、更年期症状に対しておこなわれるホルモン補充療法では血圧が上昇することもあり、こちらに対しても注意が喚起されています。

妊娠と血圧

妊娠中にはさまざまな高血圧のリスクがあります。例えば、妊娠前から高血圧を認める場合、もしくは妊娠20週までに高血圧が発症する高血圧合併妊娠、妊娠20週以降に高血圧が発症する妊娠高血圧症などがあります。また、高血圧と蛋白尿が認められた場合は妊娠高血圧腎症となり、これらをまとめて妊娠高血圧症候群といいます。

まとめ

女性の血圧の平均や血圧と女性の健康の関係について解説しました。

各ライフステージにおいて、女性には血圧を把握しておくことが自分の健康を保つ重要な要因となります。ぜひ、定期的に血圧を測定し、心配なことがあれば医師などの専門家に相談しながら、健康管理に役立ててください。

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