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2023/10/11

食後の血糖値が急上昇するのを抑える方法は?

血糖値の上がり下がりは人の体に備わった基本機能です。

しかし、急激に低下したり上昇したりするのは、体調を崩す原因になりかねません。疾患や病気のリスクにもなります。

今回は、食後の血糖値が急上昇する仕組みや理由、血糖値を抑える方法に焦点を絞ってご紹介します。

食後の血糖値急上昇を緩やかなものにする方法も、ごくシンプルなものをピックアップしました。今日から始められるものもあるので、取り入れてみてください。

食後に血糖値が上がる仕組み

食事をすると食べ物に含まれたブドウ糖は腸内で吸収され、血液に渡され体内を巡り、体の組織に届くとエネルギーとして消費される仕組みになっています。

ブドウ糖が体の各組織へ送られる際に血中に含まれるため、一時的に血糖値は上昇しますが、平常値内であれば健康を害すものではありません。

また、人体には高血糖を避けるためインスリンが分泌され血糖値の上昇を回避する機能も備わっています。

食後高血糖

ただし、上昇した血糖値が下がりにくい場合は『食後高血糖』と呼ばれ、糖尿病や合併症リスクが高まるといわれています。

食後高血糖は、食後2時間経っても血糖値が140mg/dL以上から下がらない状態のことを指します。健康体で血糖値も正常の範囲内にある人は、食後に血糖値が上昇しても数時間かけて緩やかに平常値まで下がっていくものですが、下がりにくい場合は食後高血糖の可能性があります。

食後高血糖が起こる仕組み

食後、食べ物からブドウ糖を摂取した関係から血糖値が上昇します。これは健康な人ならだれにでも起こるものです。

また、健康な人は必要量のインスリンが分泌され血糖値の急上昇を抑える機能が働くもの。

しかし、糖尿病予備軍や糖尿病を発症した場合、インスリンの分泌や作用に問題が生じています。分泌量が足りなかったり、分泌するペースが追いつかなかったり、作用が鈍くなったりで、血糖値を下げられないのです。

糖尿病の発見には食後高血糖も重要

食後高血糖は糖尿病の初期症状として現れることもあります。特に糖尿病予備軍や早期発見の場合、空腹時の血糖値だけに注目する人もいるようですが、食後高血糖も注意が必要な要素です。

血糖値の高さが気になる人は、食後高血糖もチェックしてみましょう。

食後高血糖のリスク

食後高血糖が続くということは、インスリンの分泌量が下がったり、作用不足など、血糖値を抑える働きが低下している状態にあります。これは『耐糖能異常』とも呼ばれ、糖尿病はもちろん動脈硬化の要因でもあるといわれています。

動脈硬化からの脳卒中や重大な合併症など、生命にも影響を与えかねません。

近年はガンの発症リスクや高齢者の認知機能への悪影響にも関連性があるとも言われているので、食後高血糖は要注意です。

食後の血糖値上昇とピーク

食べ物から摂取する糖は、人が生きていく上で欠かせない栄養成分です。生命維持のエネルギー源としても欠かせません。

健康維持のためにも、食後の血糖値は平均的にどれくらい上昇するものなのか、ピークはどのあたりなのか知っておくと、健康診断の結果やセルフチェックに活かせますよ。

食後は誰でも血糖値が上がる

人間の体は、食事をすれば必ず血糖値が上昇します。必要な機能なので、血糖値を徹底的に上げないようにするという考え方は極端でしょう。

あくまでも血糖値は上がるものであり、大切なことは血糖値上昇が平常範囲内で収まる体であることです。

正常範囲内のピークとは

あくまでも目安ですが、健康な人の食前の血糖値はおよそ70〜100mg/dl、食後1時間位でおよそ140mg/dlまでは上がっても平常範囲です。

食後高血糖の場合、ピークの数値が跳ね上がり200mg/dl以上まで上昇することもありますし、糖尿病ではさらに血糖値のピークが高くなったり、食べ始めてから食後2時間過ぎても血糖値が上昇し続けるという場合もあります。

血糖値が低下するタイミング

健康な人の場合、食後の血糖値が上昇しても食後2時間ほどで、食前に近い数値まで下がります。

食後高血糖の人は食後1時間前後ではね上がった後、血糖値の低下が非常に緩やかで、食後2時間以上かなり経過しても食前の数値まで戻らないこともあれば、急降下する場合もあるようです。

糖尿病患者になると、食後高血糖の人よりピークのタイミングは遅めに現れる傾向にあり、数値が低下するタイミングも異なります。

食後の運動で血糖値が抑えらされる

健康な体をキープするために食後の血糖値急上昇を抑えたいもの。そこで血糖値の急上昇を抑える方法として注目されている『運動』を、日々の生活に取り入れてみてください。

いきなりジムに入会する、特別なメニューをさこなすのは難しいという人も多いでしょうから、ここでは血糖値の上昇と運動不足、食後の運動の関連性と誰でも始められる運動について紹介していきます。

日ごろの運動不足も高血糖の原因

高血糖とは、血中に含まれる糖の量が多い状態です。確かに高血糖が長時間続くのは体によくありませんが、そもそも糖は筋肉などのエネルギー源となるため、糖の摂取量を著しく下げて低血糖になってしまうのもよい状態ではありません。

高血糖は日ごろの運動不足が影響しているケースもあります。糖は、筋肉を動かした際にエネルギー源として消費されます。つまり、体を動かせば糖の消費がすすみ、動かさなければ糖の消費は緩やかであるということです。

デスクワークで長時間おなじ体勢を取り続ける、暑さや寒さで体を動かす気になれず自宅でゴロゴロする時間が多いとなると、高血糖になりやすい体を作っているといっても過言ではありません。

食後の運動効果

とある研究では、デスクワークなどで長時間座っている人が時々立ち上がったり、食後に軽いウォーキングをするだけでも、血糖値を抑制することに繋がるとの報告が上がりました。

食後の散歩やストレッチをするなど、体を軽く動かすだけでも血糖管理に繋がるというのです。

逆に、食事の後も座ったまま仕事に戻るなど体を動かす時間が極端に少ないと、ブドウ糖の消費ペースが低いため、血糖値上昇の抑制はインスリン頼りとなってしまいます。

全く動かないよりも食後の5分の軽い運動、時間がとれるなら10分の散歩など、摂取した糖を消費する時間を作ることが重要なのです。

食後の運動ベストタイミング

食後の血糖値急上昇を抑制するにあたって、食後すぐに家や会社の周りを10分ほど散歩してみるだけで効果が期待できます。

食後1~2時間ほどまでは血糖値が上がりやすいタイミングなので、仕事等の合間に休憩をとってできるだけ体を動かしましょう。

屋外に出られない場合は屋内を歩いたりだけでもかまいません。

座っている状態よりも筋肉を動かせるので、血行は促されてブドウ糖の消費もすすみ、食後高血糖を回避することに繋がります。

食後の血糖値が急上昇するのを防ぐ方法

毎日、食後に10分ほどの散歩であれば実行しやすく続けやすいので、運動不足解消と高血糖回避策として取り組みやすいですよね。

食後にルームランナーなどハードな運動をするのは大変ですし、非現実的ですが、ウォーキングなら負荷は大きくありません。

また、食後の血糖値が急上昇するのを防ぐ方法として日々の食生活にも着目してみましょう。

タンパク質と食物繊維

タンパク質は体を作る際に必要で、食物繊維も腸内環境をはじめ体の調子を整える働きがあり、必要不可欠な栄養素です。

さらにこの2つの栄養素は、食後の血糖値管理にも有効だといわれています。

タンパク質は食後の血糖値をほぼ上げないことが分かっており、植物性と動物性をそれぞれバランスよくたっぷり摂取することで美容や健康促進にも繋がるのです。

食物繊維は、腸内環境に働きかけ便通を改善するなど健康維持に大切な働きがありますが、血糖値の急上昇を抑える働きも持っています。

コース料理などで前菜に野菜をたっぷり使ったメニューが採用されることがありますが、このような食物繊維がたっぷり含まれた野菜をしっかり食べることで、糖の吸収を抑えるというメリットがあるのです。

毎日の食事も、まずはサラダなど食物繊維の多いものから食べ始めるよう心がけることで、食後の血糖値が急上昇するのを防ぐことに繋がります。

フルーツを食べるコツ

糖質が豊富なフルーツは一見、食後の血糖値を急上昇させる犯人のように誤解されがちです。

しかし、実はフルーツに多く含まれる果糖は直接血糖値の上昇に繋がらず、ブドウ糖と比べても吸収が遅いといわれており、食物繊維も多く、適量を意識していれば問題ないと考えられています。

例えば1日の中で、中位のりんご1/2個、中位のみかん2個、中位のバナナ1本、小さいキウイフルーツ2個などが目安です。

フルーツで注意しなければならないのは、食べる時間帯やタイミングでしょう。

ベストなタイミングは朝食です。体が起きて代謝が高まっていくと共に、通勤で歩くなど体を動かすので、フルーツで摂取した糖質もエネルギーに変換されやすいのです。

一方、寝る数時間前にフルーツを食べてしまうと、代謝が低下している就寝中に糖分を吸収して、血糖値が上がりやすくなってしまいます。

また、フルーツは中性脂肪に変わる果糖も豊富ですが、朝食のタイミングで食べて通勤中に歩く距離を増やす、階段を使うなど体をしっかり動かせれば中性脂肪対策もしつつ食物繊維やビタミン、ミネラルなどを効率よく摂取できるでしょう。

血糖値の上昇を抑える飲み物

私たちは1日に何度も水分を補給しますが、飲み物の中には血糖値の急上昇を抑える効果を持っていたり、インスリンの分泌を促したり、糖尿病のリスク抑制に効果が報告された飲み物があります。

例えば緑茶は、食後の血糖値が急上昇するのを防ぐ飲み物として知られています。果糖や糖質がたっぷり含まれた飲み物よりも緑茶で水分補給をするのがおすすめです。

また、緑茶は日常的に飲むことで糖尿病のリスクが低下するという報告や、美容やその他健康維持増進も期待できます。日頃の水分補給で緑茶を飲む機会を増やすことが、体のトータルヘルスサポートに繋がるのです。 

朝食や休憩時間にコーヒーを飲んで休憩する人もいると思いますが、コーヒーを1日3杯ほど飲む人は、全く飲まない人に比べて糖尿病のリスクが低いという研究報告があります。

また、利尿効果による老廃物排泄の促進や自律神経の働きを高めることによる眠気覚まし、統計的にコーヒーを飲む習慣がある人のほうが心臓病による死亡率が低いなどの研究結果もあがっています。

ただしカフェインや砂糖入りコーヒーの過剰摂取は逆効果なので、コーヒーが好きな人は1日3杯ほどの無糖コーヒーへシフトしてみてください。

大人になると牛乳を飲む機会が激減したという人もいると思いますが、牛乳にはインスリンの分泌を促進する働きがあることが分かっています。食後の高血糖はインスリンの分泌量が少ない、分泌ペースが遅いことも関係するので、1日1杯の牛乳も血糖値急上昇を抑制するサポートになるでしょう。

間食


間食の習慣は太りやすい、体に良くないというイメージを抱いている人も多いのではないでしょうか。

しかし、間食は内容とタイミング次第で食後の血糖値急上昇を回避する施策になります。

間食で食べるものは砂糖たっぷりのお菓子類ではなく、糖質が少ない軽食へシフトしてみてください。例えば無塩のナッツ類や適量のフルーツ、玄米おにぎりやゆで卵、チーズなどは不足しがちな栄養素を補いつつ、空腹を緩和してリフレッシュになります。

私たちは空腹の時間が長くなると、生命維持のために大量に食べて蓄えようとドカ食いに走ります。このドカ食いは血糖値急上昇の原因になる食べ方であり、改善すべき食習慣です。

糖分、塩分や脂質の低い軽食メニューで間食をとり、空腹の時間を短くすることで食事のドカ食いを回避し食後の血糖値が急上昇するのを防ぐ。明日からでも簡単に始められる方法ですよね。

まとめ

食後には誰でも必ず血糖値が上昇します。健康な人は食前の血糖値がおよそ70〜100mg/dL、食後でも140mg/dL以内に収まるものです。大切なことは血糖値の上昇が正常範囲内で収まること。

しかし血糖値のピークが140mg/dLをはるかに超えてなかなか下がらない、180mg/dL位にもなりピークのタイミングが遅く下がりにくい場合には、糖尿病予備軍や初期の可能性、その他合併症のリスクが高い状態であるといえます。

運動不足の解消や食後にウォーキングタイムを作る、食生活の改善など取り組みやすいことから始めて習慣化させ、食後の血糖値急上昇を防ぎ健康な体づくりをしていきましょう。

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