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2023/10/27

血糖値が急上昇する理由は?仕組みと対策もご紹介

血糖値は体の状態を示す重要な指標の一つであり、糖尿病の前兆や初期段階を判断する上で役立ちます。血糖値が高いことや急上昇することは、健康診断や医師の診察で確認されることが多いため、日常生活で血糖値を正常範囲内に保つことが大切です。

この記事では、血糖値が上昇する仕組みとその急上昇の原因について説明していきます。

血糖値に不安を感じる方は、その仕組みや原因を知ることが、血糖値の管理の重要性をより明確に理解する手助けとなるでしょう。

将来的に血糖値の管理に取り組むモチベーションを高めるのにも役立つでしょう。

血糖値が急上昇する仕組み

血糖値とは、血液に含まれるグルコースの濃度を数値化したものです。グルコースはブドウ糖ともよばれ、筋肉を使う際に消費されます。また、脳にとっては唯一のエネルギー源。人間は生きていく上で必ず摂取していかなければならない栄養素なのです。

血糖値はこうして急上昇する

ブドウ糖は食事によって摂取され、体内に吸収されます。吸収後、血液を通じて体全体に運ばれ、筋肉や脳などの各組織で利用されます。この過程で消費される間に、血糖値が上昇するのです。

食事を摂ると、人の体は血糖値の急上昇を抑えるために、膵臓からインスリンを分泌して血糖の調節を行います。糖尿病患者がインスリン注射を受ける必要があることからも分かるように、インスリンは血糖値の上昇を抑制する重要なホルモンであり、本来、健康な人の体は必要な分量のインスリンを自動的に分泌する能力を持っています。

血糖コントロールができている人の場合、血糖値は空腹時で70~100mg/dLほど、食事でブドウ糖を摂取しても140mg/dLを超えない程度で抑えられています。

しかしインスリンの分泌に問題があったり、ドカ食いや暴飲暴食が原因で血糖値が急上昇してしまったりすることがあります。

食後も血糖値が下がりにくい場合には、健康上のリスクが高まるので注意が必要です。

血糖値が急上昇した際のリスク

それでは血糖値が急上昇した際の、健康上のリスクとはどんなものがあるのか紹介します。

血糖値が急上昇すると、体は血糖をコントロールするためインスリンを分泌しますが、インスリンが大量に分泌されると今度は血糖値の急降下が起きやすくなります。血糖値が急激に上がったり下がったりするのは血管へ大きな負荷をかけやすく、動脈硬化の要因になりかねないことも指摘されているのです。

心筋梗塞や脳卒中、糖尿病のリスクが高くなることもわかっており、血糖値の急上昇や急降下は抑制したいところです。

また、高血糖と肥満も無関係ではありません。体内で吸収されたブドウ糖は基本的に脳や筋肉のエネルギー源として消費されますが、運動不足でブドウ糖が消費されにくかったり、暴飲暴食で余分なブドウ糖が出たりすると、インスリンがブドウ糖を中性脂肪へ変えてしまうのです。

肥満もさまざまな病気の原因になりえるので、回避したいですよね。

最近では、がんの発症リスクや高齢者の認知機能との関連性も指摘されており、血糖値が急上昇する生活習慣のリスクとして強調されています。

血糖値が急上昇する理由

血糖値が急上昇する仕組みを説明しましたが、今度はその急上昇の理由に焦点を当てましょう。これらの理由は私たちの日常生活に密接に関連しており、多くの人にとって馴染み深いものかもしれません。

逆に言えば、身近な理由であるために、改善のポイントとして取り組みやすいものでもあります。

ストレス 

ストレスは体だけでなく精神的な健康も脅かす要素です。人の体はストレス過多な状況になるとアドレナリンをはじめとしたホルモンを分泌し、血糖値を上げる作用を起こすことがわかっています。

仕事や人間関係など私たちはさまざまな場面でストレスを感じ、抱えます。ストレス社会に生きる現代人としては避けがたいように感じるかもしれませんが、ストレスを溜めない、発散するなどメンタルヘルスの側面からも対策を講じたいところです。

不規則な生活習慣 

朝食を抜いてお昼や夜にドカ食いをする、就寝前の食事、遅寝遅起きによるホルモンバランスの乱れ、デスクワークによる運動不足など、不規則な生活習慣は体の機能を低下させ中性脂肪が溜まりやすい状況を生み出します。

中性脂肪の蓄積が増えることは、ブドウ糖の利用が不足していることから血糖値が高まっている可能性もあるため、肥満や糖尿病予備軍となる原因となりえます。

近年はSNSや動画サイトなど、楽しいコンテンツが豊富にあり、睡眠時間を犠牲にしたくなることもあるでしょう。しかし、ブックマーク機能やアーカイブ配信などを活用して、睡眠時間を確保し、規則的な生活習慣に移行する計画を立てましょう。

食生活の乱れ

食生活が乱れてしまっている現代人は非常に多いようです。炭水化物に偏ったメニューばかり食べる人や、野菜やフルーツを食べる機会が減りビタミンやミネラル、食物繊維不足になっている人もいます。

血糖値の急上昇を抑えるには、栄養バランスの整った食事と適正量、空腹時間が減るような間食の導入など食生活の改善が必要です。

この記事の最後に、血糖値の急上昇を抑える方法として食事について詳しく紹介しているので、ぜひご覧ください。

血糖値が急上昇すると何が起きる?

血糖値の急上昇は医療機関で診察してもらうのが一番ですが、身体的症状で自覚できることもあります。

自分の体と向き合い小さな不調もキャッチして、血糖値の急上昇が原因かもしれないという危機感を持つことも大切なのです。

ここでは、血糖値が急上昇した際に起こりやすい体の異変を紹介します。

眠気

食後に眠気を感じた経験は誰にでもあると思います。眠気の原因は様々ありますが、食後の血糖値が急上昇した際にも感じることがあるのです。

例えば朝食を抜いて昼食をドカ食いした場合、食事からのブドウ糖の摂取量が急激に上がることがあります。

すると。高くなった血糖値を下げようと、連動してインスリンも多く分泌されます。インスリンの働きにより血糖値は急降下しますが、その過程で脳へ供給されるはずだったブドウ糖が不足してしまい、脳の働きが低下して眠気やだるさを招くのです。

食後の眠気は満腹感によるものだと誤解している人もいるかもしれませんが、血糖値の急上昇と急降下による一時的な脳のパワーダウンの可能性もゼロではありません。

脳にとってはブドウ糖が唯一のエネルギー源です。血糖値の急上昇や急降下をできる限り避けて脳のパフォーマンスを落とさないことが、自分の健康のためであり仕事のパフォーマンスにもプラスになりますよ。

だるさ・脱力感

食後は眠気だけでなく、脱力感やだるさを感じる人もいるのではないでしょうか。

上記で紹介した眠気と同じく、食後の脱力感やだるさも血糖値の急上昇や急降下が関わっている可能性があります。

早食いもドカ食いのような血糖値の急上昇や急降下を招く要因だと指摘されており、脳のパフォーマンスを下げるものです。

集中力の低下

前述したように、脳にとってブドウ糖は唯一のエネルギー源であり、自身のパフォーマンスキープや作業効率の安定化、集中して勉強したい時などもブドウ糖の摂取と血糖値のバランスがポイントです。

脳のエネルギー源だから、仕事中や勉強中に甘い物を食べたりブドウ糖タブレットで手軽にブドウ糖を摂取したりする方法が紹介されることもあります。

しかし、甘い食べ物や飲み物、ブドウ糖のタブレットでブドウ糖を摂取しても、血糖値が急上昇すると血糖コントロールのためにインスリンが大量に分泌されて血糖値が急降下。

逆に脳へ供給されるはずだったブドウ糖が不足し、脳が一時的に集中力の低下などパフォーマンスダウンしてしまうこともあるのです。

めまい

めまいは貧血などの不調でも起きる症状ですが、血糖値が関連している場合もあります。

血糖値が高い状態が続いた結果、血流が悪化し自律神経障害や感覚障害を引き起こすことがあります。自律神経障害の場合、寝ている状態から起き上がる姿勢の変化など、血圧が大きく低下したタイミングでめまいを起こしてしまうこともあります。

また、低血糖においても吐き気やめまい、無気力など日常生活に支障をきたしかねない症状が現れます。

めまいは一時的で些細な異変だととらえられやすく、見逃されがちでしょう。しかし、血糖値の急激な変化で引き起こされている可能性もあるので、軽視してはいけない症状なのです。

血糖値の急上昇を抑える

血糖値の急上昇を抑える方法として、誰もが今日から始められるのは食生活の改善と運動不足の解消です。

運動不足の解消は、1日10分のウォーキングからでもかまいません。昼食後に会社や自宅の周辺を10分歩くことから始められるので、とにかく行動することが肝心です。

次に、食生活の改善に注目して紹介していきます。

血糖値を上げにくい食事

食品の中には血糖値を上げにくいものがあります。これは『低GI食品』と呼ばれ、メニューを意識するだけでできる高血糖対策です。

低GI食品は、例えば玄米・全粒粉パン・そば・春雨・ナッツがあります。自身や家族の健康のために玄米を取り入れてみるといいでしょう。朝食や昼食でパンを食べることが多い人は全粒粉パンに変えてみてください。

でんぷん質以外の野菜も低GI食品で、食物繊維が多く血糖値の抑制が期待できます。

サラダをしっかり食べる、春雨やそばを含むメニューを意識する、玄米を取り入れるなど始めやすいものから意識してみましょう。

空腹の時間を減らすために間食で無塩のナッツ類を食べるのもおすすめです。ナッツ類は、コレステロールを適性に保つ作用や、抗酸化作用があるとされています。塩分排出を助けるカリウムなどの栄養素も豊富に含まれています。

ナッツ類で空腹の時間を減らしドカ食いを回避しながら、血糖値が急激に上昇しない様、気をつけて行きましょう。

血糖値を上げやすい食事

血糖値を上げやすい食品は『高GI食品』と呼ばれます。

糖質がたっぷりふくまれる精白米や食パン、でんぷんが多いじゃがいもや砂糖たっぷりのケーキなどは高GI食品へ分類されます。麺類の中では、うどんが高GI値になっています。するっと食べられるので忙しい日の昼食に麺類を食べる人もいるでしょうが、血糖値を気にしているなら低GI食品のそばがおすすめです。

腸内環境

血糖値と腸内環境は密接に関連していると考えられています。腸内環境が健康で免疫力が高まると、血糖値の調節もより効果的に行える可能性があります。逆に、腸内環境が悪化すると、体内の血糖管理機能が乱れやすくなることがあります。

美容や他の病気、メンタルケアの観点からも、腸内環境の重要性が認識されており、血糖値に悩む人々も、腸内環境を整えた食事と生活に注目し、対策を考えることができるでしょう。

運動

運動不足は血糖値に多大な影響を及ぼします。空腹時や通常時の血糖値が高くなってしまったり、食後高血糖や糖尿病のリスクも高くなったりするので注意が必要です。

運動不足の自覚がある人は、1日10~20分のウォーキングや散歩からスタートするだけでもかまいません。とにかく毎日、もしくは2日に1回など継続することが大切です。

高い血糖値は、血液中のグルコース濃度が高いことを意味します。グルコースは脳や筋肉のエネルギー源として使用されるため、体を動かす時間を増やすことはグルコースの使用につながります。

通勤や退勤時に歩く距離を増やしたり、階段を利用したりすることは運動不足を解消する一環となります。また、お昼ご飯の後に昼休みを使って社内や会社周辺を歩くことも、運動不足の解消とグルコースの消費に貢献します。ですから、できる範囲から取り組んでみましょう。

まとめ

血糖値は健康状態を図る指標の1つであり、食事で上昇したり降下したりしても正常範囲内であれば問題はありません。インスリンの分泌も正常であれば、緩やかな変化で済みます。

しかし、暴飲暴食やドカ食い、インスリン分泌に問題があると血糖値が急上昇する場合があり、動脈硬化や肥満の原因になる他、糖尿病や脳卒中など命に係わるリスクが高まってしまいます。

近年はがんの発症要因になりうることや、高齢者の認知機能にも悪影響を与えることがわかっており、血糖値の管理は確実にしたいところです。

ストレスや不規則な生活習慣を改善して適度な運動を始めたり、GI値に着目したメニューを意識したりして血糖値が正常の範囲内で緩やかに上昇・降下するよう対策を始めましょう。

健康診断で血糖値が高めなことを指摘されたり、食後に眠気やめまいや脱力感、集中力の低下など心当たりがある方は、医療機関で相談することをおすすめします。その上で、自らできる対策方法としてご紹介したものを参考に実践してみてください。

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