全身に起こる辛いむくみ。朝晩鏡を見ると、なんだかいつもと様子が違うと思うことはありませんか?
全身にむくみがある場合や、部分的でも長く続く場合は、何らかの病気が原因になっているケースが多くあります。まずは医療機関で受診するようにしてください。
そこで受けた指導と共に、自らむくみに対する正しい知識の習得と対策をとっていく必要があります。
健康的で明るい毎日のためにも、むくみの原因や対処法を知って、むくみを解消したいですね。
ここでは、むくみとは何か、その定義と原因についてはじめに説明します。その後、具体的にむくみの種類や、気をつけたほうがいい種類のむくみについて、そしてむくみの対処法について、それぞれ詳しく紹介していきます。
むくみとは何か
まずは、むくみとは何か、その定義や原因について説明します。
むくみの定義とは
まず、むくみの定義について説明します。
むくみは、体内の組織の隙間に普通以上に水分が溜まる状況を言います。特に足や手首、足首、顔などがむくむことが多いです。
むくみは、一時的なものであれば比較的簡単な方法で解消できるものもありますが、全身に及んだり継続的で痛みやかゆみなどがある場合は、医師の診察を受けることが重要です。
むくみの原因
むくみの原因はさまざまですが、例えば以下のようなものがあります。
・循環器系の問題
・ホルモンバランスの乱れ
・食生活の乱れ
・運動不足
・睡眠不足
・ストレス
・疾患
以下で順に詳しく解説します。
原因1 循環器系の問題
むくみの原因の1つ目は、循環器系の問題です。
血管やリンパ管の問題により、血液やリンパ液がうまく流れなくなると、体の一部に水分がたまり、むくみが起こります。
原因2 ホルモンバランスの乱れ
むくみの原因の2つ目は、ホルモンバランスの乱れです。
女性の場合、生理前や妊娠中、更年期など、ホルモンバランスの乱れによってむくみが起こることがあります。
原因3 食生活の乱れ
むくみの原因の3つ目は、食生活の乱れです。
塩分や糖質、アルコールなどを過剰に摂取すると、体内の水分バランスが崩れ、むくみが起こることがあります。
原因4 運動不足
むくみの原因の4つ目は、運動不足です。
運動不足や長時間の座り仕事など、体を動かさない生活習慣によって、血液やリンパ液が滞ってむくみが起こることがあります。
原因5 睡眠不足
むくみの原因の5つ目は、睡眠不足です。
睡眠不足や不規則な生活習慣によって、体のリズムが乱れ、むくみが起こることがあります。
原因6 ストレス
むくみの原因の6つ目は、ストレスです。
ストレスが原因で、交感神経が優位になり、血管が収縮して血液やリンパ液の流れが悪くなり、むくみが起こることがあります。
原因7 疾患によるもの
疾患がむくみと関係がある場合もあります。心臓病、腎臓病、甲状腺機能低下症、リウマチ、肝疾患など、疾患によってむくみが起こることがあります。具体的にどのような病気があるかについては、のちの章で詳しく解説します。
体内の水分バランスが重要
上記の原因によって、体内の水分バランスが崩れたときに、むくみが起こると言われています。つまり、むくみと体内の水分バランスには密接な関係があります。
通常、血管内の血液と細胞外液のバランスは一定に保たれていますが、このバランスが崩れると細胞外液が過剰にたまり、むくみを引き起こすことがあります。
たとえば、水分を過剰に摂取すると、体内の水分量が増加し、血管外に水分が溢れてしまいます。これによって、足や手などの末端部分にむくみが生じることがあります。
むくみの症状
ここからは、むくみの症状について、解説します。
むくみの主な症状は?
むくみの主な症状は以下の通りです。
・腫れたような感じがする
・皮膚がピンと張っている
・体が重い、だるい感じがする
・体の一部が太くなったように見える
・靴がきつくなったり、指輪がはめにくくなったりする
・皮膚が凸凹になっている
たとえば、鏡を見て、顔が丸いと感じたり、指輪を外したり、靴下を脱いだときに跡がついていたりしたら、むくみかもしれません。
また、短期間で目に見えて太るということは基本的には考えにくいことですので、太ったと感じられる場合も、肥満ではなくむくみによってそう見えているという可能性があります。
どのような箇所にむくみが現れる?
むくみが現れやすい場所は、以下の通りです。
・足や足首
・手や手首
・顔や目の下
・首や肩
これらの場所は、血液やリンパ液の循環が悪くなることにより、余分な水分や老廃物がたまりやすくなる部位です。そのため、むくみも起こりやすいです。
特に、座り仕事や立ち仕事などで長時間同じ姿勢を続けることで、重力によって血液やリンパ液の流れが悪くなり、むくみが発生しやすくなります。また、食事や運動不足、ストレスなどもむくみの原因になります。
むくみの場所
むくみの発生の仕方はさまざまで、その違いを理解することで原因や対策が推測できます。まず、むくみは全身性のものと局所的なものに分けられます。
局所的なむくみは特定の部位だけがむくむ状態で、足首や手首、顔面などが対象です。一方、全身性のむくみは体全体にむくみが起こる状態です。
全身生のむくみ
全身性のむくみは、心不全や腎不全、低栄養、薬剤性、その他の原因で引き起こされます。
心不全:心臓の働きが弱まり、余分な水分が血管外に漏れ出しむくみが起こります。
腎不全:腎臓の働きが低下し、余分な水分や塩分が排泄できずむくみが引き起こされます。この場合、塩分やタンパク質の制限が必要になります。
低栄養:食事が不足し、血中のアルブミン値が低下することでむくみが起こります。栄養管理が重要です。
薬剤性:一部の薬には、副作用でむくみが生じるものがあります。薬の変更で症状が改善することがあります。
その他:肝不全、甲状腺機能低下、内分泌疾患、関節リウマチなどでもむくみが発生することがあります。
局所的なむくみ
下肢静脈瘤:足の静脈がコブのように膨らみます。症状は足のだるさや重く感じたりします。治療はストッキングや手術です。
深部静脈血栓症:足の静脈が血栓で詰まる病気です。治療は血液を固まりにくくする薬を使用します。
リンパ浮腫:リンパの流れが悪くなることで足が腫れてきます。治療はストッキング、マッサージや手術です。
腫瘍:腹部や骨盤内の腫瘍による静脈やリンパの流れの妨げにより腫れを生じます。
筋内血種:筋肉内出血による腫れ。超音波検査で診断、必要なら針で血液吸引します。
体位によるもの:横になることができない状態で、長間座ったままでいると足が腫れてしまいます。
日常生活でできる対策方法は?
むくみを予防するためには、以下の方法が効果的です。
・運動をする
・食生活を見直す
・睡眠をしっかりとる
・ストレッチをする
・マッサージをする
・服装に気をつけつける
以下で順に詳しく解説しています。
方法1 運動をする
運動は、血液やリンパ液の流れを促進し、むくみを防ぐためには欠かせません。運動は、ウォーキングやジョギング、水泳など、自分に合ったものを選びましょう。
方法2 食生活を見直す
塩分や糖分を控えめにし、食物繊維を多く含む野菜や果物、豆類などを積極的に摂ることが大切です。
方法3 水分を十分に摂る
適度な水分補給は、体内の余分な塩分を排出するのに効果的です。ただし、飲み過ぎには注意が必要です。
方法4 睡眠をしっかりとる
十分な睡眠をとることで、自律神経が整い、むくみを予防することができます。
方法5 ストレッチをする
身体を伸ばすストレッチや、足を高く上げるストレッチなどをすることで、血液やリンパ液の流れを良くすることができます。
方法6マッサージをする
足のマッサージや、リンパマッサージなどを行うことで、リンパ液の流れを促進することができます。
マッサージをすることで、足のむくみが改善され、ふくらはぎ周りのサイズが減少したという研究もあります。
方法7 服装に気をつける
タイトな服や、靴下などの締め付けが強いものを避け、ゆったりとした服装を心がけましょう。
むくみが続く場合の対処法
むくみが続く場合は、できるだけ早いタイミングで医師の診断を受けることをおすすめします。
上記でも一部触れましたが、むくみが起こる原因には、以下のような病気が考えられます。当てはまるものがあれば注意が必要です。
・高血圧や心不全、腎臓病などの循環器系疾患
・甲状腺機能低下症やリンパ浮腫などの内分泌系疾患
・アレルギー性鼻炎や気管支喘息などのアレルギー疾患
・膠原病や関節リウマチなどの自己免疫疾患
・肝硬変や消化器系疾患などの消化器系疾患
・脳腫瘍や神経疾患などの神経系疾患
まとめ
これまで、むくみの定義や原因、そしてむくみを解消するための方法について解説してきました。むくみは見た目に影響するだけでなく、深刻な病気の兆候であることもあります。適切な対処が必要です。医師などの専門家の指導を受けつつ、自分でできる簡単な対処法も多数存在します。ライフスタイルを改善し、むくみ解消グッズを上手に活用することもおすすめします。