体全体に起こる不快な腫れや膨らみ、それがむくみです。朝晩鏡を見て、いつもと違う様子に気付くことがありませんか?見た目や身体のだるさに悩まされ、気分が落ち込んでしまいますよね。
健康的で元気な毎日を送るためには、むくみの原因と対処法を理解して、むくみを解消することが大切です。そして、はじめに知っていて欲しいのは、むくみといえども中には隠れた病気が潜んでいることがあります。一時的でないものや、全身に及ぶものでは、医師などの専門家に相談することをおすすめします。
この記事では、むくみの定義と原因について最初に説明し、その後、様々な種類のむくみや気をつけるべき種類のむくみ、そしてむくみの対処法について、詳しく説明していきます。
むくみとは何か
辛くて気になるむくみについて、改めて定義や原因を押さえておきましょう。以下で詳しく紹介します。
むくみの原因とメカニズム
むくみのメカニズムですが、体内の水分や塩分のバランスが崩れ、細胞などの組織の間に余分な水分がたまることによっておこります。そして、それは以下のような要因で引き起こされると考えられています。
食生活の問題
塩分やアルコールなどを過剰に摂取することで、体内の水分バランスが崩れ、むくみが発生することがあります。特に、塩分を過剰に摂取すると、体内の水分が余分になり、むくみが生じやすくなります。また、アルコールの摂取は血管を拡張させ、静脈やリンパの水分処理が追いつかないという不具合が生じ、むくみが生じやすくなります。
ホルモンバランス
女性の場合は、生理前や妊娠中、更年期などのホルモンバランスの乱れによってもむくみが起こることがあります。これは、ホルモンの変化によって体内の水分や塩分のバランスが崩れ、むくみが生じるためです。特に、妊娠中は子宮が大きくなって血液やリンパ液の流れが悪くなるため、むくみが起こりやすくなります。
運動不足
体を動かさない生活習慣によって筋肉量が減少します。すると、静脈血を心臓方向に押し上げる筋ポンプ作用が弱まることで、静脈血が溜まってしまいむくみが生じます。
睡眠不足
睡眠不足や疲労により、心臓の働きが低下すると血液を送り出す働きが低下して、むくみが起こることがあります。
ストレス
ストレスが原因で、自律神経が乱れ交感神経が優位になり、血管が収縮して血液やリンパ液の流れが悪くなり、むくみが起こることがあります。
病気
心臓病、腎臓病、低栄養、薬剤性、肝疾患など、疾患によってむくみが起こることがあります。具体的にどのような病気があるかについては、のちの章で詳しく解説します。
むくみは、一時的なものであれば慌てて病院に行かなければならないことはありませんが、継続的なものや痛みやかゆみなどがある場合は、医師の診察を受けることが重要です。
慢性的なむくみのリスク
慢性的なむくみが長期間続いている状態は、病気が潜んでいる可能性があります。例えば、下肢静脈瘤や静脈血栓症などの血管疾患などでむくみが出ることが知られています。また、リンパ浮腫や腫瘍によるものなど、重篤な疾患の可能性もあります。
さらに、疾患が原因の、重度かつ慢性的なむくみでは、脚が重くなって痛みが出たり、歩くのに不便を感じたりするなどして、日常生活に支障が出ることもあります。また、肌荒れやかゆみ、皮膚の炎症などのトラブルも発生する可能性があります。
以上のような身体の変化が現れたり、むくみが長期間続く場合は医師に相談し、適切な治療を受けることが重要です。
その上で、適度な運動や栄養バランスの良い食事、睡眠の質の向上、ストレスの軽減など、日常生活の改善にも取り組むことが大切です。
むくみ解消のための生活習慣改善
むくみを解消するためには、どのような生活習慣を送ると良いのでしょうか。効果的と言われている方法を、紹介していきます。
食生活の改善によるむくみ解消法
塩分の摂りすぎは、体内の水分バランスを崩し、むくみの原因になります。食事の際には、野菜や果物などの食物繊維やカリウムが多い食品の摂取を心がけましょう。
また、水分補給も大切ですが、一度に大量に飲むのではなく、こまめに飲むようにしましょう。
運動によるむくみ解消法
運動は、筋肉を動かすことで血流を促進し、むくみの解消につながります。特に、下半身にむくみがある場合は、歩く、階段を上り下りする、足首を回すなどの運動をすると効果的です。
また、ストレッチも筋肉の緊張をほぐし、血流を改善する効果があります。
睡眠やストレス対策によるむくみ解消法
睡眠不足やストレスは、交感神経を刺激して血管を収縮させ、血流を悪化させる原因となります。十分な睡眠時間を確保し、ストレスを溜め込まないように心がけましょう。リラックスするための方法としては、深呼吸やヨガ、マッサージなどが挙げられます。以下でも詳しく紹介していますので、参考にしてみてください。
むくみ解消のためのマッサージ・ストレッチ
むくみを解消するためには、適度に体を動かすことが有効と言われています。おすすめのマッサージ方法やストレッチを紹介します。
リンパマッサージによるむくみ解消法
むくみ解消には、リンパマッサージが効果的です。やり方は色々な種類がありますが、主なやり方として次のようなものがあります。
この方法は、リンパドレナージュとよばれます。
皮膚に手のひらを密着させます。強く押さえ過ぎるとかえってリンパの流れを妨げるので、軽くあてがう程度にします。あてがった手をリンパを流したい方向に1秒くらいかけてゆっくりと最大限ずらします。ずらした後に力を抜き、手の位置を元に戻します。これを5回から10回繰り返します。
ストレッチやヨガによるむくみ解消法
ストレッチやヨガも、強すぎない適度な負荷で動ける運動としておすすめです。
例えば次のようなものがむくみに良いと言われます。
足を伸ばして座ります。片方の足を曲げ、背筋を伸ばします。
伸ばしていた方の足を胸の前で曲げ、曲げた足の裏を両手でつまみます。
次に、膝を伸ばしながらゆっくり足をあげます。膝を伸ばしてあげることが難しい場合は、最初は曲がっていてもかまいません。また、足の裏をつまむことが難しければ、足首のあたりに手を添えてもOKです。反対側も同様にします。
むくみ解消のためのサプリメント・漢方
むくみが気になる場合、サプリメントや漢方を試すのも一つの方法です。むくみに効果的なサプリの栄養素や漢方薬について紹介します。
むくみに効果的な栄養素は?
むくみに効果的な栄養素は次のようなものがあります。サプリなどでも摂取できるのでおすすめします。
カリウム
カリウムは、ミネラルの一種で、浸透圧の調整などの働きをしています。 ナトリウムを排出する作用があるため、不足すると、塩分過多によってむくみを悪化させてしまいます。適切な量をしっかりと摂取できると望ましい成分の1つです。ほうれん草、にんじん、芋類、マグロなど、身近な食品にも多く含まれますが、サプリなどで積極的に摂ることもおすすめです。
ヒハツ由来ピペリン類
ヒハツは、インド原産のコショウ科のつる植物です。その果実はコショウに似た風味があり香辛料として利用されています。ピペリン類はヒハツに含まれる辛味成分で、むくみに対する有用性が報告されています。
ヒハツ由来ピペリン類を機能性関与成分として届出た機能性表示食品には、「冷えにより低下した血流(末梢血流)を正常に整え、冷えによる末梢(手)の皮膚表面温度の低下を軽減する」また、「脚のむくみが気になる健常な女性の夕方の脚のむくみ(病的ではない一過性のむくみ)を軽減する」などの機能が報告されているものがあります。
ビタミンE
ビタミンEの摂取が、女性の月経前症状や浮腫(むくみ)にどのような効果があるかが調査されています。51人の日本人女性を対象にした研究では、疲労感やイライラ・怒りの症状が軽減され、太もものむくみが有意に減少することが確認されました。また、ビタミンE摂取によってナトリウムの排泄が増加することがわかりました。
レモン由来モノグルコシルヘスペリジン
レモンの果皮から抽出されたレモン由来モノグルコシルヘスペリジンはヘスペリジンには、むくみに対する有用性が報告されています。
レモン由来モノグルコシルヘスペリジンを機能性関与成分として届出た機能性表示食品には、「一時的に自覚する顔のむくみ感を軽減する」などの機能が報告されているものがあります。
漢方薬によるむくみ解消法
漢方薬によってむくみのケアをするのもおすすめです。むくみに良いとされる漢方薬には、次のような成分が含まれていることが多いです。
「大黄」は、中国や日本などで生息しているタデ科のダイオウ属の根茎を乾燥させたものです。漢方では、下剤効果や熱を取る効果、血液を活性化し、血液の循環を促進する効果があるとされ、便秘、熱性疾患、打撲、月経異常などに用いられています。排便は体内の水分を排出する重要な役割を果たしているため、大黄は便通を促進することでむくみ解消にも効果があると考えられています。
「沢瀉」は、世界中で栽培されているサジオモダカ科の植物、乾燥した塊茎が使用されます。漢方薬として、利尿効果や解熱効果があり、むくみやめまい、膀胱炎、排尿障害などにも使用されています。
「白朮」は、朝鮮半島や日本、中国の東北部の、日当たりが良い山地や丘陵に自生している植物の、オケラやオオバナオケラの根茎を乾燥させたものを指します。
漢方医学的には、胃の健康を促進し、腸内の調子を整え、尿の排泄を助ける効果があるとされ、水分代謝の異常や消化器系の不調和などに対処するために使用されます。
顔のむくみ解消に役立つグッズ紹介
ここからは、むくみに効果的なアイテムを紹介していきます。むくみ解消グッズを活用して、体をスッキリさせましょう。
むくみ解消に効果的なグッズは?
むくみ解消に効果的なグッズには、次のようなものがあります。
美顔器
最近注目されているのが、ホーム用美顔器です。安いものでは数千円、高くても数万円で手に入れることができます。美肌ケアができるものというイメージがありますが、実は顔のマッサージをしてくれたり、温めて血流を促してくれたり、顔を引き締めてくれたりと、さまざまな機能を搭載した美顔器があります。
ローラー
ローラーは、コロコロと気になる部位の上を転がすことにより、適度な刺激を加え、水分の循環を促し、むくみを和らげることができます。安価に手に入れることができ、百円ショップなどにも売っていることがあります。TVを見ながらなど、何かをしながら同時に使うこともできるので、手軽な方法でしょう。
グッズの選び方について
むくみ解消グッズは、選び方にコツがあります。
まず、使い勝手が良いものを選ぶことが重要です。特にマッサージ器具などは、使い方が簡単で手軽なものを選ぶことが大切です。
次に、高価なものから手頃な価格のものまで様々な価格帯があります。自分の予算に合わせて選ぶことが大切ですが、安価なものであっても効果的であれば、コストパフォーマンスが高いと言えます。
自分に合ったグッズを選び後悔しないためには、事前に口コミやレビューを調べたり、製品情報を確認することも重要でしょう。
まとめ
ここまで、むくみの定義や原因について、むくみを解消するための方法などについて紹介してきました。
むくみは見た目に影響するだけでなく、重大な病気のサインであることも考えられます。一時的なものでなければ、かかりつけ医などに相談することをおすすめします。
その上で、自分でも正しい情報を集め、ライフスタイルを整えながら、むくみ解消グッズをうまく活用してみるのがおすすめです。